江差追分

 40数年ぶりに高校のクラス会に出席した。

ススキノで45年スナックを営んでいた同窓生が店を閉めるというのと、口の悪さが災いしてスルーされていた友人に会っておこうという目的もあった。ーーーまあ、気持ちよく彼方の世界に旅立ちたいという思いもあってね....。

 

 同窓生24名は学生の面影はなく想像すらできない人もいる。まだまだ元気な初老の集団は声も大きく、ちいさなスナックは天井が抜け落ちそう。

 さすが江差高校だ。同級の男子が「江差追分」を歌うと、ハヤシ掛けをする女子。前歌を歌うと次いで女子が後歌を継ぎ、朗々と歌い上げる。なつかしい鴎島が目に浮かび潮の匂いを思い出した。なんて素晴らしいところで青春を過ごしたんだろうと、いまさらながら思う。

 

 数年前、スペイン人の友人カップルが一ヶ月間北海道を廻り我が家に戻った。「どこが良かった?」と聞くと「一番素晴らしかったのが江差だ」と言ったので耳を疑った。「え、なんで?何もないでしょう?」と聞き返したら「歌が素晴らしかった!」と。地元を誇りに思った瞬間だった。

 

 仲違いしていた友人とも何事もなかったかのように話が弾み、店じまいをするというロクちゃんは我が家での壁男の道展入賞のお祝い会にもやってきた。年の差50歳の同級生と夕方までアート談義やらオシャレ談義をして楽しいひとときを過ごした。

 

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