都市間の移動が可能になって、友人夫婦、コロナでアフリカから帰国中の友人と4泊5日の道南ツアーに出た。道南で生まれ育ったので方言も懐かしく、函館は子供の頃、祖母に連れられて戦死者の慰霊祭に訪れていた。昔の懐かしい記憶が蘇った。
慰霊祭のあと谷地頭温泉に入り、函館公園の夜桜を見にいった。夜空に桜が妖しく浮かび上がり、桜の樹の下には屍体が埋まっている、という話しが本当のように思えた。傷痍軍人の吹くハーモニカの音色や乞食の親子。自分と同じ年頃なのに、と胸が痛んで祖母のたもとを引き「あの子にお金をあげて...」とねだったのを覚えている。翌日は「棒に森屋」デパートで買い物をするのがお決まりだったが、今そのデパートはない。
コロナ感染自粛の影響で、函館や洞爺湖、ニセコの観光地はどこも閑散としていた。いつ人が戻ってくるのだろうか、と不安になる。
アフリカに赴任している友人と私は一人旅が多く、ツアーに参加したこともない。気の合う者同士こんなツアーもいいな、と思う。ーーーまあ、エネルギーがなくなったってことね。