篠田桃紅 書家

 身近に書道をしている人がいて墨の匂いが好きだった。小学生の頃から、お正月の2日は書き初めをさせられた。息を止めて一気に書き上げる。あの集中感がいい。

 

 篠田桃紅を知ったのはアサヒグラフの特集だった。40代で2ヶ月の予定でアメリカに渡り、そのままパスポートの2ヶ月更新を続けて2年間滞在したという。その滞在期間は現代アートマーク・ロスコジャクソン・ポロックが活躍していた時代と重なる。

 

 桃紅が少女の頃、庭の飛石に柄杓で水を撒く手伝いが好きだったという。水飛沫の形や光を反射し石が輝くのを見るのを楽しんだという。それが、美しいというのに気付いてはいたが、その行為を認識し、芸術的価値のあることだと発表したのがポロックなのだという。芸術は何げない生活の中にあり、人は生活の中で美しいものを作る。それが普遍的な芸術になるのだ、と述べている。

 

 「芸術には、あなたの固まって動かなかった心を動かす力がある。あなたの心を支え、寄り添ってくれる」ーーー全く同感であり、そうあってほしいと願う。

 

 

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