Father and Daughter

    メランコリーなメロディが懐かしい。子供の頃、私のお気に入りの曲だった。あの頃、音符が読めなくても、耳にする旋律はハーモニカで吹くことができたから、ハーモニカの上手い男の子が吹いていた曲だと思う。都会から来た子で、また越して行ってしまった。

 

 8分32秒のアニメーションに女の子の一生が描かれている。父と別れ、待ち続ける暮らしの中で、恋をして結婚、子供を育て老いていく。老いてなお父を待ち続ける物語が、もの悲しい旋律の上で紐解かれる。線で描かれた空間と春夏秋冬、自転車や人物の描き方も素晴らしく、線で年齢を描き分けている。

 

 ミュージックを担当したNormand Roger によると、舞台はノルウェーで、第二次世界大戦中ドイツに侵略され、レジスタンスだった父親が家族を守るために逃亡する物語だそう。曲は Waves of the Danube をアレンジしたもの。

 

 今、ミャンマーの子坊主を描いている。子供の年齢を描き分けるのは難しいと大学の教師に言われたが本当だ。微妙な輪郭や膨らみで年齢が上になったり、下になったりする。ーーーはて、どうなるんだろう…。

 

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