訃報

 横浜に住む姪が35歳の若さで亡くなった。癌とわかった時は既に4期で余命3カ月だったという。彼と暮らし始めていたそうで、おめでたいニュースの前に悲しい知らせを受け、信じ難く気持の置きどころがない。

 

 「親より先に逝く親不幸」というけれど弟夫婦の悲しみはいかばかりかと思う。

弟は女3人姉妹の下に生まれ、長女の私とは7 歳離れている。始めての男の子なもんで母親に甘やかされ、内弁慶でわがままだった。外でいじめられると家で八ツ当りし、物置きに閉じ込めていたのは私だった。母は「もう、いいから出してやんな」といつも弟の肩を持ち「母さんが甘やかすから!」と憤慨していた。

 私も弟が可愛かった。オムツも替えたし、学校にも連れて行った。小学高学年になるとぐんと背が伸びて「ねぇちゃんをおぶってみて」というと背中を向けてくれた。子供の頃を思い出し、泣き虫の弟は大丈夫だろうかと胸が痛む。

 

  ーーーひらひらと悲しみの散る春の宵

 

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