続 ソーイング be

   ワンピースに気を良くして、更なる難題に挑戦。祖母の喪服をパンツに仕上げた。

母が亡くなった時、着物は要らないと貰わなかった。大柄な私には着丈、身幅、袖丈が合わなかったし、全く着物を着る機会がないからである。

 母は着物の仕立てをしていたので、パッチワークにとその端切れをもらった。その中に喪服を解いたものがあり、家紋で祖母のものだとわかった。私は婆ちゃんっ子で、よくお寺参りや葬式に付いて行った。祖母の膝もとで触れる着物の手触りを記憶していた。あの時、喪服を裂織にし、セカンドバックに仕上げたたら素敵になるだろうと思ったのだ。

 

 ところが、その頃、海外山行に執心していて、端切れのダンボールは押し入れに突っ込んだままになった。コロナ禍の自粛生活で押し入れの整理を始めたら布を縛ったものが出てきた。なんだこれ? そっか、婆ちゃんの喪服だ。そうだ、これをパンツに仕上げたらどうだろう?

 実はネパールで買った草木染めのパンツがボロボロになり、同じような手触りの生地を探していたがなかなか見つからない。絹の柔らかい手触りと流れるような感じがいいラインを作り出すかもしれない。

 

 ま、やってみなけりゃわからない、とまずは型紙作りから始めたが、裁断する際になって紬より難しいことに気づく。布地が滑ってハサミから逃げるのだ。何とか裁断し縫う段階になったが、生地が柔らかいので端ミシンがかからない。そこで袋縫いにすることにした。更に難題があり、絹の流れるような布地は台から滑り落ちる。膝にぞろりと滑り床に落ちてしまうのだ。その度に直線縫いが脱線してしまい、解く手間が大変だ。

 

 やれやれ、とんだことを思いついたと思ったが、後には引けない。大奮闘の末、祖母の思い出パンツが出来上がった。ーーーおお、なんと素晴らしい〜♬

 

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