ドラマ「向田邦子の恋文」

 毎夜、YouTube向田邦子の新春ドラマスペシャルを観ている。

久世光彦演出の昭和の時代が懐かしい。縁側のある日本家屋や家具、そして父親中心の家族の暮らしやしきたり、四季の行事などが懐かしく蘇る。

 「向田邦子の恋文」は彼女の事故死の20年後に妹さんの執筆で出版された。ドラマは手紙と日記で構成されている。恋人、バブの母親役が樹木希林でセリフの間の取り方が絶妙に上手い。つい役者の表情に感情移入してしまう。ドラマ全体が丁寧に作られていて、今の時代にはない良さがある。

 

 恋人はガス自殺をし、ひと月後に母親から日記と手紙を渡される。バブの母親と邦子は短歌の通りと泣き笑いをする。

「おいとまをいただきますと戸を閉めて出てゆくようにゆかぬなり生は」

 

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