「お月さんのシャーベット」ペク・ヒナ作 長谷川義史 訳

 韓国の絵本作家、ペク・ヒナの絵本製作はミニハウス作りから始まる。舞台をライトアップして写真を撮り、その中に人物を登場させる。描いたものとは違う雰囲気が生まれ、面白い。大阪弁で訳しているので、そのリズム感もまた楽しい。

 

 蒸し暑い夏の夜。集合住宅はどの家もエアコンがフル回転。そこにポタポタと雫の音がする。「あれまあ えらいこっちゃ お月さん溶けてはるがな」おばあちゃんは雫を受けて冷凍庫に入れてシャーベットを作る。「エアコンびゅんびゅん せんぷうきぶんぶん れいぞうこうんうん」電気の使いすぎでブレーカーがダウン、停電になってしまう。真っ暗だ。ところがおばあちゃんの家だけ明るいのだ。ー後略

 

 タイを思い出して懐かしい。窓の向こうにそれぞれの暮らしがあり、想像するのも楽しい。住民同士の繋がりも見えてほっこりする。

 

 

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