手仕事

 外に出られないので春の大掃除と押入れの整理を始めた。

山道具の他に押入れを占領しているのは糸と布で、機織りの前は編み物もしていたので家族のセーターが茶箱の中に眠っている。もう子供たちは出払い、私もセーターを着なくなって久しい。全部解いて染め直した。

 手紡ぎの糸は軽く丈夫な上に暖かい。糸は空気を含んで生き返り光沢がでて美しい。母や祖父母の時代、糸も布も再利用していた。母はセーターを解いて編み直しをしていたし、祖母の洗い張りを手伝ったことなどを思い出した。もののなかった時代、糸は貴重だったのだ。いま、生き返った糸を何に使おうかと思案中。

 

 藍玉も見つかったのでエプロンやブラウス&スカートを染め直すことにした。まずは大豆を一晩水に浸してミキサーにかけて豆汁を作る。軽く洗ったあと豆汁に浸して染まりやすくし、藍の液を40度に温めて布を入れる。これまた新しいものに生まれ変わり、今年の夏は藍染のブラウス&スカートでニューファッションね!

 

 さてさてと、染料が残ったので生成りの毛糸を染めることにした。

綿と羊毛は手順が違うし、この液の分量で大丈夫かな?と心配していたのだけど、案の定、失敗だった。

 毛糸の分量に対して、染液の量が少ないので掻き回すことができずムラになった。もう一度染め直そう!と再度、液に浸す。その間に買い物にでて、戻ったら毛糸はフエルト化してドレッドヘアーのようになってしまったのだ。羊毛は温度管理が難しく、手早くしないと糸が傷む。ーーーあ〜あ、初歩的ミスだ。

 どうしょう。捨てようか、それともコラージュに使おうか?と悩んだが、固まった糸を一本づつほぐすことにした。根気がいるが一晩かかってほぐし巻いた。ーーーやれやれ。

 

 調子づいて、大学で拾った板で油彩用のワゴンを製作。これはちょっと大変で力あまって椅子の端まで切り落としてしまった。丸棒は染色の時に糸をかき回していた棒で、半分青く染まっている。板に棒をジョイントするのが難しい。5センチほどのネジがまっすぐに入らないのだ。仕方ないので5寸釘を打ったら、うまい具合に収まった。赤い取っ手をつけて出来上がり。ーーーおお、なかなかいいじゃん!と自画自賛

 

 さらに、機織りの友人が靴下で座布団を作っていたのを真似て靴下をくるくると丸めて綴じてみた。夏冬一緒くたに丸めてしまったので凸凹、針目も荒くイマイチだけど、なんか親しみが持てる。

 

 外出自粛令に手仕事はぴったりね。できたものがいびつでもほっこりと温かくなる。そうそう、豆汁のカスはおからにして食べました。いい酒の肴になりましたね。

 

 

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