筆者が森美術館でキュレーターをしていたとき、ニューヨークの近代美術館、MOMAに派遣され、ルソーの「夢」に魅せられて作品を書くことになったという。
史実とフィクションが見事に融和され、すべて事実ではないのかと錯覚されられる。物語を構成するにあたって、実際に美術館に足を運び徹底的に調べ上げたという。なるほどお見事。ハラハラ、ドキドキしながら一日で読んでしまった。
「楽園のカンヴァス」はMOMAが建て替えのため休館する間、ルソーの「夢」を大原美術館に貸し出すという設定だ。主人公のキュレーターは著者のこと?と思ってしまう。
MOMAには昨年の夏、ワークショップのついでに足を伸ばした。10年前にも10日ほど滞在して美術館巡りをしたことがあり、あのときもMOMAに2度足を運んだ。とにかく所蔵作品がすごい美術館で、日本人が設計したとか。
キャンバスに向かわなければならないのに、図書館に英字新聞をもらいに行ったら、本を借りてきてしまった。ーーーやれやれ、どうでもいいことばかりしている。