幸せな朝顔

 朝顔がどこから来たのかわかった。

春、ベランダ菜園をするためにコンテナの土を塀の内側に捨てたのだ。昨年、同じ色の朝顔をベランダで楽しんだことを思い出し、まあ、よく元気に芽を出し花をつけてくれたものと種の生命力に感動する。

 

 日を追うごとに朝顔の支柱が増えている。いろんな素材の棒で井形で組まれ、いびつなんだけど、微笑ましい。朝顔には誰かの手が添えられ、朝の爽やかな空気の中で折り畳んだ花弁を広げ、通る人を楽しませている。

 

 花は人生に似ている。芽を出し咲いて散る。ただそれだけ。人もそれでいいんじゃないかと思う。この世に生を成し、多くの人の手が添えられて一生を終える。幸せな人生だと思う。

 

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