訃報

 40年来、親しくしていた友人の突然の訃報。10日ほど前に会ったばかりなので、俄に信じ難く、何かの間違いでは?とラインの字面を追った。残酷なまでにあっさりと繋がりを断ち切られ、ご主人の悲しみはいかばかりかと思う。人はこんなにも簡単に逝ってしまうのだ。

 

 先日、会った時に「二人は最愛の夫婦だけど親友でもあるから、一人になるのは辛いね・・」と終末について話したばかり。彼女は笑って、「一人になったら皆んなのところを回ってご飯食べるわ」と言い、「それはいい考え〜♪」と同意した。それが突然、彼女が先に旅立つなんて、想像すらしなかった。

 

 私は時折、小さなキッチンでフルコースを作り、お家レストランと称して友人を招いている。彼女は我が家の台所を「魔女のキッチン」と呼び、レストランが出来ると褒めてくれた。「友達と食べるから、楽しいんじゃん〜!」と、その気になり、回を重ねるごとに腕を上げた。

 

 ーーーお別れに「待っていてね。会ったら美味しいもの作るから」と添えた。

 

 

 

映画「シェルタリング・スカイ」から ーAre you lost ?  ポール・ボールズ

 

     人は自分の死を予測できず 人生を尽きぬ泉だと思う

     だがすべての物事は 数回起こるか起こらないか

     自分の人生を左右したと思えるほどの 子供の頃の思い出も

     あと何回 心に浮かべるか 4、5回思い出すのがせいぜいだ

     あと何回満月を眺めるか せいぜい20回

     だが 人は無限の機会があると思う