映画「枯葉」監督アキ・カリウスマキ

 フィンランドの監督アキ・カリウスの作品は、以前、好きでよく観ていた。

その頃、シベリウスを聴いていて、「フィンランドでフィンランデアを聴く贅沢〜♬」 と公言してたけれど、未だ北欧に行ってない。ムーミンのフアンでもあるので、一度は行きたいフィンランド。新年会で、山友が北欧に出張と聞いて、羨ましくて声が裏返った。

 

 と、北欧愛で前置きが長くなったが、主演女優はトーベ・ヤンソンを演じた人で、ヤンソンに雰囲気が似ている。語学番組のインタビューによると、監督から「リハーサルなし、ぶっつけ本番で撮影する。練習してもいけない」と言われ、どう演じていいか分からず、アキ・カリウスマキの全作品を観て、撮影に挑んだそう。

 

 舞台はヘルシンキ。孤独な労働者たちが温もりを求めてカラオケ店で心を癒す。日本の地方都市を連想させるノスタルジックな風景。バックグラウンドが、ラジオから流れるロシアのウクライナ侵攻のニュースで現在なのだが、映画館のポスターがブルジット・バルドーだったり、ゴダールの名前が登場したりで、映画愛が隅々に散りばめられている。映像のトーンがくすんでいて、落ち着いた赤や青、緑が意識的に使われている。色彩感覚が素敵だ。

 引退宣言した好きな監督の作品なので、観られただけで嬉しい。

 

予告:https://youtube.com/watch?v=eYpgp6ZPGQQ&si=Spxbyg1iDg3R6J1w