札幌の三大公募展の一つである全道展が市民ギャラリーで開かれている。
入り口の広い空間には大きな作品が掛けにされていて、それだけでパワーを感じる。それぞれの絵のエネルギーが空間を駆け巡っていて圧倒される。
好きなアーチストが何人か出品しているので楽しみにしている。大学で教えている講師も何人かいて、どんな絵を描いているのかと興味もある。お気に入りのアーチストの絵は遠くからでもわかる。自分のスタイルがあるってすごいことだと思う。
ぼーっとしてたらカメラをぶら下げた人に声をかけられた。
「一般の方ですか?」
「はい」ーーー北海道新聞社?余計なことは言わないでおこう....。
「出品されているんですか?」
「いいえ」
「ずっと観て回られてましたね。なにか印象に残った作品はありますか?」
「卒業制作中なので、自分の絵の参考になりそうな青い絵を中心に観てました」
「えっ?学生なんですか!」
「はいそうです。観るのと描くのをはまったく違って、大きな絵はエネルギーと根気がいりますね」と答えると、「テーマはなんですか?」と重ねて聞かれた。
「Freedom, 自由かな?」
「自由そうに見えますけど?」ーーーそれ、どうゆうこと?と思うが、
「学生でも時間に拘束されますからね、ふぃっと旅に出たくなるわ」とつい本音を吐いてしまう。
「旅が好きなんですか?どこへ行かれます?」
「いろいろ。山があるところかな?以前は遺跡と美術館巡りだったんだけどね」
と、話しているうちに北海道新聞社から山本を出版したことがわかってしまった。
「40代、それとも50代ですか?」と聞かれ「まあ、そんなとこね」とごまかしたけど、社に戻ったら年齢がバレてしまうね。
第74回 全道展 札幌市民ギャラリー 中央区南2条東6丁目 011-272-5471
〜23日(日)まで。最終日午後4:30