アートは自己表現だと思う。それぞれの表現方法や意図があっていい。
平面構成をどんな構図でどんな色を使い、何を表現したいのかを考える。本を書く前の構想に似ている。トピックもなくダラダラと言葉を連ねていてはつまらない文章になってしまう。
絵を観るとき何を基準にしているだろうか、と考える。
空間と均衡（構図）、そして色彩だ。空間のない絵は息苦しく想像する余地がない。色彩はわたしにとって最も重要なもの。マチスの師匠、モローが『色彩は考えられ、夢見られ、想像されなければならない』と述べたように、永遠に辿り着けないない課題のように思う。
居残りしていたら、授業時間に来なかった学生がやってきた。
彼女の絵は自由奔放でたくさんの色を重ね日々変化する。「いいよね！」と言ったら、「自分は写真のようなリアルな絵は描けないんだよね」という。
写真とそっくりな絵を描いてどうよ？と思っているわたしは「それこそがアートよ！」と励ます。
「絵も人生と同じよ。先の見える人生なんて面白くもないし、自分の内面も日々変化して、意外ことを発見したり、思わぬところに辿りついたりするもんよ」と言いながら、自分でも真実そう思う。
