「猫のしっぽ かえるの手」

  京都、大原の古民家で田舎暮らしをするイギリス人のベニシアさん。

タイ在住の時から、この番組を楽しみにしていた。イギリス風の庭にたくさんのハーブを植え自然の中での暮らしを楽しんでいる。叶うことのなかった憧れの暮らしだ。

 

 30代半ばから始めた草木染めと機織りは、40代半ばに山登りを始めたことで横道に外れ、ついにとん挫してしまった。札幌郊外に土地を見に行ったり、山側に土地を購入したりして結構真剣だったのに、アトリエは建つことがなく更地のまま放ってある。

 息子が結婚して家を探していた時、「あそこに建てたら?」と言ったら、却下された。買う時、中学生の息子に「こんな斜面に土地買って、年取ったらどうすんの?」と言われていたのだ。

 それで未練がましく、ベニシアさんの番組「猫のしっぽ…」や映画「人生フルーツ」、ターシャ・デューダの世界に癒されている。


 今になると、まあそれはそれでよかったと思える。お金は稼いだ先から山に消えたが、ないことで気軽に海外に飛んで行けた。タイで働いたことでいろんな出会いがあったし、ネパールも近くまた山にも行けた。ずっと日本語教師してたら食いっぱぐれることないわ?楽勝!と思っていたら、またまた横道に外れてしまった。

 

 突然、アートを勉強する!と帰国した。予備校を経て大谷大学編入し、昨年春に卒業した。

 良かったんだか、悪かったんだか、前途多難でいつも四苦八苦している。嬉しいのは絵の友人が出来たこと。アドバイスをもらい、やれやれ一難去ったと胸を撫で下ろし、それでもどうしていいものやら先が見えず、ああ、母さん…と思う。ーーー山でもよく言ってた。

 

 まあ、あれもこれも自分が決めたことで文句の言いようがない。

   ーーー為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり

 

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