三浦奈津美 写真展 於:秀岳荘

   道東在住の写真家、三浦奈津美さん写真展。

昨年の今頃、秀岳荘に絵を買っていただいたお礼に伺った。社長室に掛けられていた熊の写真に一目惚れし、写真家を尋ねると、来週から秀岳荘北大店で展示が始まると教えてくれた。

 さっそく足を運び、どう撮ったのかを尋ねると「まったく、偶然なのよ」とのこと。知床で車道を歩く熊に出会い、窓から手を伸ばして盲滅法にシャッターを切った、その一枚とのこと。それにしては迫力がある。

 

 北海道は身近にヒグマが生息する。道南ではよく畑に熊が出没し、山親父と呼び恐れられていた。しかし、怖いものみたさもあり、開拓時代の熊事件を読み漁っていた。

もちろん、アラスカをフィールドワークにしていた星野道夫さんに出会い、彼の本を読み、アラスカにも出かけた。熊を見に行ったのに、デナリ(マッキンリー)に魅せられ、山に登ることになってしまい、三度目でようやく登頂を果たした。

 

 北海学園在学中、夏休みの2ヶ月を南東アラスカのヘインズで過ごしたことがある。友人が森の中にあるログハウスを貸してくれて、憧れていたので嬉しかった。しかし、昼間はいいけど夜が怖い。カーテンのない窓から熊が覗いているような気がする。友人宅に夕食に招かれた時は「熊より、ムースに気をつけて!」と言われた。熊は頭がいいから人間を避けるけれど、ムースは向かってくるそうだ。「ムース、ムース!」と叫んでヘッドランプを振り回しながら帰った。

 朝早く、近くの川に熊ウオッチングに出かけた。鮭を獲るのが上手い熊と下手なのがいる。横取りが上手いのもいて、格闘になる。土手を駆け上がってきて、慌てて車に逃げ込んだ。今でも、身近に野生動物が住むアラスカに憧れる。

 

 アラスカで野生動物と人間が共存できているのはフィールドが広いからだろうと思う。北海道では個体数が増えると難しいだろう。

 

 今、リビングに描きかけの熊がいて怖い。絵なのに迫力ある…。

 

  〜4月8日まで