Art of Kenya

   日本語教師の友人がケニア赴任中に、油彩画を買ったと写真を送ってくれた。

「わぁ、すごい色使いだね!元気になるわ〜♬」と感嘆した。アフリカならでの色彩感覚に、目がぱちくりした。

 その後、帰国し、次の赴任地に赴く間に癌になり、現在緩和ケア病棟に入院している。

「あの絵気に入ってたよね、貰ってくれる?」と言われ、入院前だったので、「広げてみなよ、元気になる絵だよ」と返答したのだけど、絵は筒に入ったまま私のところにやってきた。

 

 あれから、3ヵ月ほど経ち、絵が気になって筒を壊して広げてみた。広げた途端、アフリカのパワーが溢れ、胸が熱くなった。絵はこんなにもエネルギーを持ち、人の心に入り込んでくるのだと思った。彼女がアフリカから運んでくれたパワーに包まれ、若くして先に逝く友を想う。