個展3日目 雪降り

 三日目は雪降り。この雪の中、朝一番に杖を突いてやってきた小柄なおばあちゃん。思わず歩み寄って声をかける。

 

「雪なのに、足をお運びいただきありがとうございます!」

「出がけにね、娘がどこに行くの?っていうの。個展を見に行くと言ったら、危ないじゃないの!って怒ってね…。」と教えてくれる。

「だからね、爆弾が降って来るわけじゃなし、危ないもんかって言って出てきたのよ」と手には掲載記事を握りしめている。確かに、日本じゃ爆弾が降ることはないだろうけど、足元が悪いから娘の心配もわかる。88歳と言うから世界大戦を経験してる。ウクライナのニュースが大戦と重なり現実味を帯びる。とにかく一度座って休んでから絵を見ていただいた。

 

「まあま、元気を頂きましたわ!」と嬉しそう。「とんでもないです…」と恐縮する。元気を貰ったのはこちらの方で、戦争をくぐり抜けたおばあちゃんは強いと感動した。

 

 道央からやって来た友人にも感謝する。最近のJRは雪が降ると運休するので帰りが心配だ。午後に雪が止みほっとする。新聞やテレビが報道してくれたお陰で、思いがけない人たちにも再会し、懐かしさと共にいい人たちと出会ってきたと実感する。好きなことをして生きて来れたのは周りの人たちのお陰です。

 

 明日はどんな人に出会えるやら…。

 

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