合言葉は「もう、死ぬんだから…」

 断捨離と言えば要らないものから処分すると思うが、私は金目のものから。カメラが売れたことに気を良くして、他に金目のものはないかと家探しを始めた。

 

 金目のものなんかあるわけがない。人生で気合いを入れて買い込んだのは山道具で、体力がない分「道具で勝負!」と軽量化に励んだ。その結果、押し入れは山道具で溢れている。もう、尾根しか行かないのだから処分していいかも?と思いながら処分出来ないでいる。アイスクライミング用具は手放したけれど、インドアクライミングや沢用具、冬山道具一式が押し入れを塞いでいる。

 

 ニュースを見て思いつたのが「金」である。延棒はないがネックレスの類いはある。それらを集めて、さてどこで売ればいいんだろう?と思案した。友人宅の前に質屋があったのを思い出して電話を入れたら、買い取ってくれるそうだ。それで、おっかなびっくり質屋の暖簾を潜った。なんと、かき集めた貴金属は、ン十万円になった。

 

 ほくほく顔で質屋の前に住む友人に報告。すると、出ました合言葉。「もう、死ぬんだから…」と。友人夫婦は、なんか欲しいもの、行きたいところがあると、この合言葉が出るんだそう。初めて聞いた時は笑ってしまったが、確かにそうだ。70代になるといつ死んでもおかしくない。金目のものは売って美味しいものを食べるが勝ちとのこと。なかなかいい合言葉だ、と気に入っている。

 

 その後もリサイクルショップに高価なバックやティカップを持ち込み、得たお金で画材を買い込んでいる。こちらの方が実用的で楽しい。他に売れるものはないかと思案中〜♬