ベトナム生、最終授業

 昨年10月から始まった日本語の授業。私が担当する「作文」は本日で終了。

1、2時間目は予定通りの授業を行い、3時間目は鯛焼きを食べながら、ベトナムの話題で盛り上った。オマケに、ベトナムの歌手、カーン・リーが歌う「美しい昔」をかけるとみんなシーンとなった。彼女は70年代に放送されたNHKのドラマ「サイゴンから来た妻と娘」の主題歌を歌った人である。ベトナムでも有名だそうで、今は40代とか。

 

 カーン・リーは、日本語とベトナム語で歌っているので、両方を聞き取ってもらう。ゆったりとした曲なので、日本語の歌詞は半分くらいの生徒が聞き取れていた。ベトナム語を聞き取るのは簡単だが、翻訳となると、日本語の語彙が充分じゃないので、よくできる生徒でも「難しいです」と言って、ベトナム語で書いていた。

 

 「美しい昔」は、ベトナム戦争反戦歌として、ヤンゴンで広まったそう。悲しい旋律が心を揺さぶる。最近読んだ本「パーナム弾の少女」の写真を見せると、一部の生徒が授業で見たことがあるとのこと。あの少女の写真も反戦運動のきっかけとなった。若い学生たちにとって、ベトナム戦争は遠い昔のことなんだろうか、と憂う。かつて、国土が血に染まったことを忘れてはならない。

 

 しかし、彼らの明るさと逞しさに励まされた半年間だった。7名が病院経営の福祉施設に就職が決まり、4名は水産業。残りの学生は介護福祉士の資格を取るため、更に2年間勉強する。

 みんな、夢を叶えてほしい。合言葉は「あきらめない!」Đừng bỏ cuộc!(ドゥーボオー) 卒業おめでとう〜♬

 

 「美しい昔」カーン・リーhttps://youtu.be/4SC09BpaZC0?si=aYXBYLuE3Y5Lv7OO