闘病中の山友が未知の世界へ旅立った。
元旦に日の出の動画を送ってくれて、元気そうな姿に安心していたので残念でならない。あっけない死を受け入れられないでいる。
「先に行って待っているからね」と言われても、まだまだ先のことだと思っていた。彼女はヒマラヤの絵ができるのを楽しみにしていたのに.....。
彼女と出会ったのはネパールのコラパニ峠のトレッキングだった。そのころ、一人旅に出始め、チケットを買いに知り合いの旅行会社に行ったら、「トレッキンングのメンバーが足りないから入って」と言われた。それが山に魅せられるきっかけになったことは確かだ。
シャクナゲに赤く染まる峠とアンナプルナの白い山塊に感激した。テントを共にし、毎朝「山が見えるよ〜!」の彼女の声で寝袋を這い出た。その後、山に誘ってくれて多くの山行を共にし、感動を分かち合った。
最後の言葉は「山に行ってて、良かったよ」だった。たくさんの感動と共に彼女は宇宙へと旅立った。ーーー星の絵ばかり描いていたのも不思議な気がする。