編み物&エベレスト

 外出自粛令が長引いて自宅にこもる日々だが手仕事にはいい。

編み図が間違っていたカーデガンは2度も編みなおし、ようやく出来上がった。

1度目はゲージと編み図が合わず見頃まで編んで解き型紙を作って調整し、2度目はヨークが編み終わる頃に前身頃の減らし目がおかしいと気付き、注意深く説明を読むと編み図の目数と図の目数が違っている。解いて編みなおし、途中で糸も足りなくなり、また染めることになり、行きつ戻りつなんとか仕上がった。ーーーこれも時間があるから。

 

 さて、本格的に次の作品に取り掛かろうと100号のキャンバスを張り構図を考えているが、描きたい山のイメージの構図が決まらない。山が遠すぎるとインパクトがないし近いとバランスが難しい。

 表現したいのは、世界一の頂きが人を魅了してやまない魔物のような怪しさと恐ろしさ。世界一の岩塊はアイゼンの爪に傷つけられ悲鳴を上げているように感じた。

 アタック日、最終キャンプ(8300m) から北陵に続く登りはヘッドランプの明かりが列をなしている。満天の星の下、登山ルートに置き去りにされた屍体は動けなくなったらこうなるのだと死を実感させた。

 

 登頂したのは2004年のことで、いまはどんな状況なのかとネットでエベレストのドキュメントを見ている。エベレスト登山はネパールサイドとチベットサイドがあり、ネパールサイドは入山料が高く、BCキャンプ(4300m) まで徒歩で4、5日かかるがチベットサイドのBCキャンプ (5300m) はトラックで入れる分、ルートが長い。

 

 驚くことに、いまやネパールサイドの公募登山はヘリでベースキャンプに入っている。酸素マスクも布製からプラスチック製に進化し、ボトルも小さくなっているように思う。国が登山許可証を乱発していて環境と安全が問題になっている。

 どうなのかなぁ...との思いはいまも変わらない。それは現実を見たからそう思うのであって、知らなかったら世界一の頂きに憧れ続けたと思う。 

 

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