サイクリング

 風もなく穏やかな週末、野幌に住む友人宅までサイクリング。

仕事帰りの機織り友もやってきてランチをご馳走になる。選び抜かれた食器に盛られた蒸し野菜と手毬寿司。そして、おしゃべりもひと段落した頃に出てきたのがじゃがいものグラタンだった。

 デザートは手土産に持参したサクランボのタルトに虎屋の羊羹で「羊羹は苦手だから…」と言ったら、「あら、よくアンもの作ってるじゃない?」と意外な顔をされた。「お店のは甘いから自分で作ってんの」と言い訳する。子供の頃はオハギも苦手で母は私のために胡麻と黒砂糖で包んでくれていた。

 

 ところが、結婚し子供ができると、母がせっせと野菜や小豆を送ってくれるものだから、私もせっせとおやつを手作りした。草餅やおはぎを作り、おやきを焼いた。息子はアンものが好きで、学校から帰ると小豆を炊く匂いに大喜びし「ぼく、お汁粉のお風呂に入りたい」と言ってたくらい。

 今は私もアン好きになり、相変わらずたい焼きやあんぱんを焼いている。おはぎで日本酒が飲めるくらいに好みが変わったけど、羊羹は相変わらず苦手で歯が浮きそうでいけない。頂いても息子宅行きとなる。

 

 「そういえば、じゃがいも嫌いって言ってなかった?」と言われ、「加工すれば食べれる」と答える。コロッケやサラダ、グラタン、ニョッキなど作っているし、子供たちが好きなポテトチップもよく揚げてた。これも母が一冬分を送ってくれていたのでせっせと加工したのだけれど、子供たちは加工する前の塩茹でが好きだった。茹で上がると「食べる人、皿持ってきて、潰すよ!」と声をかけていた。

 

 それぞれの苦手なものや夏休みの山の話題で盛り上がり、なんだかホッとする時間だった。帰りは頂き物でリックは満杯になり、重いツヅラを選んだ舌切り雀の婆さんのようだった。秋は日暮れが早く、手稲山に日が沈むと、あっという間に薄暗くなった。

 ーーーひと汗かいて、心身ともにリフレッシュした秋の一日でした。

 

 

f:id:fuchan1839:20211010230200j:plain