柚子こしょう作り

 以前、福岡の友人を訪ねた時「柚子こしょう」なるものを知った。豆腐の上に青い薬味が乗っていて、辛く柚子の香りがして豆腐の味を引き締めてくれる。

 それ以来、冬に入る頃に福岡から送ってもらっていた。北海道で買える柚子こしょうと全く味が違うのだ。地元でも作り手で味が違うそうで、聞くと唐津から来るリヤカー部隊のお爺ちゃんが作ったものだそう。

 「毎週、市場で爺ちゃんを探し歩いて、ようやっと買えたわ」と言って送ってきてくれたが、爺ちゃんは「もう、年なので売りに来れないと言ってたから、自分で作んなさい!」と言われた。「そんなこと言われても北海道では柚子生らんよ…」と言うと「南蛮と塩と柚子を混ぜるだけ。柚子だけ送るから」とのことだ。

 

 そこで、今年の夏は家庭菜園をしている友人に南蛮を作ってもらい、赤い柚子こしょうを作ることにした。夏の終わりに赤南蛮の種を除きミキサーに掛け冷凍した。

 何が大変かって、この作業が大変なのだ。ゴーグルを掛けマスクを二重にしても南蛮の粉が飛び涙とくしゃみが止まらない。友人に電話し、「南蛮冷凍したから、柚子買って置いて」と頼んだ。「赤なら黄色に熟れたのがいいね」と皮をすりおろしたものと果汁を冷凍してくれていた。柚子の木は棘だらけで収穫が大変で、いつスーパーに出回るかわからないからと、私のために保険を掛けてくれたのだ。それが幸運にも唐津の市場で生柚子が買えた。

 

 半日ほど仕事の手が空いたので、念願の柚子こしょう作り。唐辛子が荒いせいか半端ない辛さで手に負えない。そこで柚子皮を追加し、蜂蜜を小さじ1杯加えて混ぜる。こうして、めでたく赤柚子こしょうが出来上がった。ーーーやった〜♬  しかし、来年も作るかというと、躊躇する。

 

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