「すべての月、すべての年」ルシア・ベルリン

 どうしてこの作家に惹かれるのだろう、と思いながら読んでいた。

鋭い洞察力を持ち、大胆で思いっきりがいい。それが文章に表れていてパズルの破片のようにスッとはまる。感覚的な喩えにも驚く。こんな感覚で絵を描いたらどんなふうに仕上がるのだろう。

 

 本があると何もしない。すべてのことを後回しにして読み終えてしまう。気になって他のことが手につかないのだ。絵もこうだったらいいのにと思う。

 絵に集中するには準備が必要で、大谷大学では環境整備担当と言って、ゴミ捨てや絵の具でドロドロになったシンクを磨いていた。家ではフライパンの底を磨いたりしている。これは試験の時もそうだったので、いわゆる自己逃避でしょう…。

 

 さてさて、気になる本は読み終えたので、新しい作品に取り掛かろうと思う。まずは鍋磨きからだわね。