茄子の花咲く

 「親の意見となすびの花は千にひとつの無駄もない」というけど、親の意見など聴いた事がないどころか「相談するという事がないんだね!」と言われていた。親に相談したって、実行するのは私だしねと思っていた。言わずもがな紆余曲折の人生で、成長した息子にも「誰かに相談しなさい!」と言われた。

 

 親がそうだと子供も同じように育つ。息子はいち早く親のいい加減さに気付き、サクッと反抗期を通り抜けたが、娘は長ったらしくいつまでも親を引きずっていた。40過ぎにようやく落ち着き、いい親子関係になり、おしゃべりが楽しくなって有難い。人生まんざら捨てたもんじゃないと思う。

 

 温泉大好きの娘とフリーバスに乗って小金湯温泉に出かけた。

「温泉は山とセットじゃないとね!温泉に入るだけなんてあり得ない」と公言していたが、よる年並みには逆らえず腰痛病にいいかも?と誘いに乗った。

 

 春に次いで二回目である。フリーバスはお年寄りの常連ばかりで娘の年代はいない。

「あら、このバス山菜採りにいいんじゃない?」と娘に言うと、「そんなことする人はいないんじゃない!」と叱咤され、「温泉入ったかどうかチェックされるよ」とのこと。指摘通り、受付で帰りの乗車時間を訊かれ、チップを渡された。

 

 ここのミスティサウナはハーブの匂いがし、椅子が石で掛け流しになっている。お湯も塩分があるのか肌がツルツルする。そして、風呂上がりのお蕎麦が美味しいのも素敵。最高にリフレッシュできました。ーーーただ温泉だけも、いいものです。