水野剛志 日本画展 ギャラリー・レタラ

 素晴らしいお天気で家にいる気分じゃない。そうだ、水野先生の個展が始まってるはず、円山公園散策もできるし、とリックを背に出かけた。

 今回は高山植物を描いている。運よく本人もいらしてお話ができた。5年くらいスケッチのため山登りをしていたそうだ。写真から絵にするのだそう。花が浮き上がって見えるので「この光はどうするのか?」と尋ねると、エアスプレーをかけるんだそう。花に吸い込まれそうになるほど神秘的で目が釘付けになる。高山植物は可憐で不思議な魅力があるけど、それに神秘さが加味されて感動する。画集を予約してしまった。

 

 水野先生は札美でデッサンを習っていた時に、大谷大学への編入学を薦めてくれた方である。「あら、そういうのもあるの?授業料半分で済むネ」と即、入学を決めた。

 大谷大学では日本画を教えていてお世話になった。と言っても、色の出し方を聞いてはじゃんじゃん重ねるものだから失敗続きで「あら、残念なことになってる…こんなハズではなかった」と高価な岩絵具をサンドペーパーで削って、主任教授に睨まれた。

 

 膠を載せて乾燥させ、幾重にも絵の具を載せるという工程は時間がかかる。焦ったくて私向きじゃなかったね。しかし、日本画には惹かれる。海外の美術館巡りから戻り、東京の美術館によると、宗教画を見慣れた目には「日本画はなんて素晴らしいんだろう」とほっとし、日本人であることを実感する。