日本語授業参観 北斗学園 in 室蘭

 昨年の春、初個展の際に、日本語教師のオファーを受けた室蘭の北斗学園へ授業参観に行く。北海学園大学時代の恩師が退官後に日本語教育を担っている専門学校である。

 大谷大学卒業制作の鳩シリーズ「私を旅に駆り立てるもの」を寄贈した学園でもあり、額装した絵を見る目的もあった。当学園の時間講師を希望している友人と共に列車に乗り込む。札幌〜室蘭は特急で2時間弱。ちょっとした小旅行気分が味わえる。

 

 

 

 

 北斗学園は幼児教育、福祉、料理と幅広い分野の専門学校である。見学したのは、モナコ料理学校の研修生の日本料理を学ぶ6ヵ月間のコースとベトナムからの介護福祉士を目指すクラスである。

 6年振りの教育現場に、質問されたらどうしょう?と緊張する。モナコの料理学校の生徒たちは明るくて素直な生徒で好感が持てる。日本語教師は異文化の人たちと関われる面白さがある。発想が違うので新鮮なのだ。わくわくな授業参観となった。

 

 「持ち物を褒めるー答える」のタスクで、例文はこう:

ーーさん、そのバックすてきですね!

ーーありがとう!モナコで買いました。

 

 に、イケメンのスポーツマンは

ーーさん、目がすてきですね!と相手の美しい目に注目。相手の生徒は戸惑ってしまい、しどろもどろ。ーーーさすがフランス人、褒めるところが違う、と吹き出してしまった。

ーーお父さんと同じ目です…。と消え入るような声で答えていた。

 

 ベトナムの生徒たちは真面目で一生懸命さが伝わってくる。これから、日本で仕事をするのだから当然意気込みが違う。家族や親戚が高い学費を出したんだろうと推測し、すんなりと介護福祉士の試験に受かりますようにと願う。

 

 札幌ー室蘭、往復4時間の移動プラス、ひとコマ50分授業が3回で報酬は1万円。北大の山友は安いと言っていたけれど、日本での日本語教師としては高いとのこと。相場を聞くと時給1500円くらいだとか。悲しい金額であるが、人間相手は喜びも大きいね。