「お隣は外国人」北海道新聞社

 今、北海道で技能実習生という名のもとに働くアジア圏の若者たちが25000人ほどいる。留学生のバイトも入れたら相当数になるだろう。北海道で各分野に従事する関係者のリポートである。

 

 私は12年前に北海学園大学日本語教師の資格を取得し、タイに赴任した。海外で働こうと思っていたので在学中から日本語教師のアシスタントをしていた。大学の留学生やJICAの技能実習生、卒業後は札幌に住む外国人の「日本語教育支援」で1年間ボランティアをした。

 その頃から実習生というのは名前だけで、奴隷のような労働をさせられている外国人がいた。それ以前にも、富山県に春スキーに行った時、山で肉体労働し、1日の賃金が1000円だというネパール人に会ったことがある。誰がどうピンハネしているのだろうと思っていた。

 

 タイに赴任し、アジア圏の若者が日本語を学び日本で働くことを目指している裏側が見えてきた。派遣する組織があり、準備のための名目で100万近い借金をさせるのだ。運良く日本で仕事ができてもパスポートを取り上げられて、狭い部屋での共同生活を強いられ、社会問題にもなっている。

 

 北海道はよそ者の集まりだから、外国人に対してもウエルカムだと思っているが実際はどうなのか。文化や宗教の違いは直ぐに馴染めるものではない。お互いを尊重することが大切だと痛切に思う。

 私もよそ者としてタイに6年間を暮らし、最初は憤慨し、なんでこうなの?とイライラしていた。今なら懐かしく思う。タイ人の柔軟さとか、めげない強さとか、優しさとか思いやりとか、大事なものを持っているなぁ、と思っている。

 

 ますます、外国人労働者を必要としている昨今、労働条件は日本人と同じにする必要があると強く思う。

 

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